【トロンボーン】伴奏合わせに向けた準備と実際の進め方

【トロンボーン】伴奏合わせに向けた準備と実際の進め方
ソロコンテスト等のコンクール前は、ピアニストと伴奏合わせを行います。
初めてコンクールに挑む中高生は、ピアノと合わせるという経験が初めてで、どう進めていくのか戸惑われている方を多く見受けられます。
今回は、ピアニストとの伴奏合わせに向けた準備のポイントと、実際に合わせる時間の進め方と内容に関してまとめてみました。
準備のポイント
普段は自分のソロ楽譜を見て個人練習をしていると思います。
そこで準備段階で大事なポイントが4つあります。
①作品の演奏を聴く
今はYouTube等の配信サービスが整っているので、どんな作品なのか耳が覚えるくらい聴きましょう。
また、とても上手な方が演奏されているものがあれば、そちらを聴くようにしましょう。
自分なりの作品解釈もとても大切ですが、まずはどんな作品なのか聴いてみて雰囲気を感じ取ることが、完成に近い音を知ることに繋がります。
②ピアノ伴奏譜も確認する
自分が演奏しているときに、ピアノ伴奏がどのような動きをして、どのようなアンサンブルになっているのか把握することが大切です。
これは、ソロコンテストの準備に限らず、吹奏楽やオーケストラ等のスコアを確認することと同じで、誰と今同じ旋律を演奏しているのか、どの楽器の音を聴きながらアンサンブルすべきなのか等、知ることが演奏のまとまりに繋がるからです。
効率的な練習法としては、
1. ピアノ譜を見ながら作品の演奏を聴き、楽譜を目で追う
これは、自分のソロ譜だけでは、休符がただの休みに感じとられることを防ぐためのポイントです。休符にピアノが細かい意味のある動きをしているかもしれない。ということを知るために楽譜をしっかり熟読しましょう。
2. ピアノ譜で自分のパートを練習する
これは、1と同じく、休符をただの休みにせず、しっかりピアノを頭の中で鳴らせるようにするためです。ピアノ伴奏がいつどんな動きをしているのか頭の中で音楽が流れるようになれば、暗譜も楽になります。
3. 演奏をかけながら、ピアノ譜を見て自分のパートを演奏する
これは、テンポ感やリアルな演奏している感覚を得るための練習方法です。ここでのポイントは、ソロ譜ではなく、ピアノ譜を見ながら練習することです。
③作品に対する自分の解釈、やりたい表現等を明確にする
これらを明確にすることが一番大変な、難航するポイントになっていると思います。
なかなかやりたいことが溢れないという方は、とことん練習を重ねて、色々な映画やコミュニケーションなど経験を増やすことを心掛けてみてください。
綺麗にまとめようと思わないで、自分なりに考えてみることも大切です。
例えば、ここからここまでの旋律を演奏していると、悲しい気持ちになるな…等の、ふと感じたことをそのまま言葉にしてみましょう。
さらに、その作品のストーリーを考えてみるのも良いことです。
初めのこの旋律までは、「きらきらした満点の星空がある風景のイメージ」で、ここからここまでが、「そこで出会った男女が恋に落ちる瞬間」を表している、等なんでも大丈夫です。
ここで大切なのが、
初めにストーリーを考えるのではなく、演奏してみて感じたことをストーリー化させるという順序が大切です。
他にも、色で表現を変える方やマークで表現する方など様々です。ここは赤色ぽい情熱的な感じとか、ここは曇りマークで陰りのある音で演奏したいとか、自分のやりたいことをどんな方法であっても明確にしていくことが大切です。

④改めてピアノ譜を見る
練習初歩のときに確認練習したと思いますが、ここでは「改めて見る」ということが大切です。
なぜなら、③が溢れ出てきた段階で、以前他者の演奏を参考に演奏していた時とは自分自身の演奏が異なり、自分らしさが生まれているはずです。
そのため、改めてピアノ譜をみて、「自分がこの旋律に向けて、一番情熱的に持っていきたい」や「ここのフレーズを儚く陰りのあるように演奏したいから、直前のピアノ伴奏のフレーズをそういう風に持っていってもらおう」だったり、計画を練られるように自分が成長しています。
反対に、こう演奏したいと考えていても、ピアノ伴奏が、そうすると不自然になってしまったりすることもあります。それは、作曲者の意図が楽譜の音には詰まっているからです。
そのため、自分の解釈に加え、作曲者の意図を読み取ることも大切です。
難しく感じますが、自分の解釈が生まれているということは、「こう思うからこうしたい」の表現方法にも繋げることができています。そうすると作曲者の意図を自然に感じることができるようになってきています。
実際の進め方
①一度通して演奏してみる
まずは、初めての作品をアンサンブルするため、一度通してみましょう。
自分自身が練習、準備を重ねたと同様に、ピアニストも練習してくれています。
そのため、自己解釈が変化する可能性が大いにあり、またアンサンブルで得た新しい感覚が表現へと繋がります。
②部分ごとに確認、アンサンブルの打ち合わせをしていく
上記で述べたように、準備をしていないと確実性のあるアンサンブルはできません。その場でのアンサンブルで感じたことを伝え合い作り上げることはできても、無計画では合わせの頻度も倍以上かかると思います。
そうならずにしっかりアンサンブルをして完成させていくためには、計画が大切です。
まずは初めからAまで。など部分ごとにアンサンブルをし、この箇所はこの熱量で演奏したい強弱に関しての相談や、この箇所は同等のバランスと表現で来てほしいという要望だったり打ち合わせ内容は様々であり、表現の幅も無限にあります。
細かいところまでしっかり打ち合わせて実際に感覚を掴むようにアンサンブルの練習をしましょう。
まとめ
個人練習は個々のペースでできるものですが、大抵ピアニストとのアンサンブルが成立せずに合わせもどうしていいかわからないという相談を受けます。
また、ピアニストの前奏で生まれた世界観に対して、ソロの入り方が分離していたり、もったいないと感じることもあります。
一つの作品を自分のもののように演奏し、観客に感動や世界観を伝えられるようになるためには、準備がとても大切です。
準備も内容の濃い細かい追及が必要です。
音量や、音が並ぶようになったら、音色や音のスピード感など次の段階を求める準備をしましょう。しっかり自分の考えが演奏で表現できるようになれば、ピアニストとのアンサンブルも意味のある濃いものになってくると思います。
追及と準備を大切にしましょう。


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